おんざまゆげ

"感受性マイノリティ男子"が綴る日々の雑記・雑感… 読書、映画、アニメの感想。

能力主義

「すべての生が無条件に承認される社会」へ向けて——「生きづらさ」についての雑記(3)

今回は「生きづらさ」と「承認」の問題を考えてみようと思います。 前半では「承認と生きづらさの関係」「承認と自尊の関係」を考えます。 後半では「ただ生きているだけで生が否定されてしまう社会構造」を批判的に問題にし、それにかわる「すべての生が無…

本田由紀『若者の労働と生活世界——彼らはどんな現実を生きているか』/若者が直面するツライ現実

本田由紀さん編集の論文集。 編集構成は、前半では若者を取り巻く社会環境の変化についての総論的な分析がなされ、それをうけて後半では「若者と労働」、「若者の生活世界」という二つの各論分析がなされている。 … 若者が抱える苦しみや豊かさが、“われわれ…

湯浅誠『「生きづらさ」の臨界―“溜め”のある社会へ』/「生きづらさ」は社会的・構造的問題

「生きづらさ」に関する鼎談本 現場で活動している湯浅誠さんと河添誠さんが、学者や専門家の方々をゲストに迎えて現代日本の「生きづらさ」について議論している鼎談本。 「生きづらさ」の臨界―“溜め”のある社会へ 作者: 本田由紀,後藤道夫,中西新太郎,湯浅…

湯浅誠『どんとこい、貧困』/「溜め」のある社会へ

社会に「溜め」をつくるには… この本の前半部分は、貧困に対する自己責任論への反論が分かりやすく論じられている。 後半部分は、“溜め”のある社会へと移行するにはどうすればいいか、そのために活動する「活動家」(市民)とはいったいどんなものなのか、と…

「成功者たちにつけるクスリ」(ハーバート・サイモン 他)

… 自身の成功体験からほかの人々の人生を断罪するような物言いをしそうになってしまう、そんなこともあるいはあるかもしれない。もしそんなことがあれば、一息ついて思い出してほしい言葉がある。[ … ] 自己責任論に陥りそうになったら、このクスリを飲んで…

『生を肯定する倫理へ―障害学の視点から』/「生を無条件に肯定する」思想

障害学の視点から英米圏の倫理学説(ロールズ「正義論」やシンガー「選好功利主義」など)を批判的に検討し、立岩真也や森岡正博、レヴィナスやデリダの「他者」概念などを導入しながら「生を無条件に肯定する倫理」を構想する書。 生を肯定する倫理へ―障害…

「生きづらさ」低減に向けた「生存学」のアプローチ —「生きづらさ」についての雑記(1)

「生きづらさ」はゼロにはならない 私がブログで本当に考えたいテーマは「生きづらさの低減」についてです。ずっと念頭にあるのが「どうやったら生きづらさを生きづらさとして受け容れられるのか」という難問です。 生きづらさは決してゼロにはならないと思…

「エコロジカルな自己」とは何か/河野哲也『〈心〉はからだの外にある——「エコロジカルな私」の哲学』

「性格」なんてナンセンス 脱スピリチュアル宣言! 自分探しの正しいあり方を明らかにする デカルト的発想を覆す 〈心〉とは、自己の内に閉ざされたプライベートな世界なのか? 環境と影響しあうエコロジカルな〈心〉という清新な視点から、他者や社会と生き…

『所有という神話―市場経済の倫理学』(大庭健 著)

所有という神話―市場経済の倫理学 作者: 大庭健 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2004/07/27 メディア: 単行本 クリック: 6回 この商品を含むブログ (17件) を見る 「市場経済」を倫理学的に考察した書。

猛威を奮う「そんなの仕方ないじゃん!」派たち〜ロールズ先生を一瞬で黙らせる言葉〜

さっき調べて分かったのですが、『正義論』が刊行されて今年で45年目なんですね(ジョン・ロールズ - Wikipedia)。 今でも日本では「ロールズ産業」が続いているようです。 たとえば今月、勁草書房から「ロールズ」と名のつく本が二冊も出版されています。

「差別意識」とコノテーション 〜リオオリンピックで感じた違和感〜

「メダルラッシュ」 リオのオリンピックが終わりました。(パラリンピックはこれから始まりますが…) 日本選手は大活躍で「メダルラッシュ」と言われています。 しかし、僕はノリのわるい人間(KYな人)なので、マスメディアの「メダルラッシュ」のお祭り騒…

なぜ「努力」は「信仰」となり人を苦しめ続けるのか 〜 差別・不平等・努力信仰 の関係 〜

「平等」の二つの意味 「差別とは何か」を考えるまえに、まず、「平等とは何か」を考えてみます。 「平等」には大きく分けて、二つの意味があります。 (1) 「同じ」(同質・等しさ)という意味 (2) 公平(公正・正義)という意味 (1)は数的・物理的・性質的…

『威張るな!』(高橋源一郎)と「リベラルな人」

高橋源一郎さんの「威張るな!」というエッセーがあります。 テレビのワイドショーのコメンテーターの人たちには、ぜひ読んで欲しい文章です。 下記に重要なところを引用すると…

「役立たない人は死んでいい」(相模原障害者殺傷事件)

今回の事件(相模原障害者殺傷事件)に対して肯定的な感想をよせている「差別主義者」の反応は間違っていると思いました。「役に立たない人は存在しなくていい(殺害していい)」という優生思想は歴史的に否定された倫理的に間違った考え方です。どんなこと…