おんざまゆげ

"感受性マイノリティ男子"が綴る日々の雑記・雑感… 読書、映画、アニメの感想など。

読書

【小説】高野和明『ジェノサイド』/人間 vs.超人間

急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。創薬化学を専攻する大学院生・古賀研人は、その不可解な遺書を手掛かりに、隠されていた私設実験室に辿り着く。ウイルス学者だった父は、そこで何を研究しようとしていたのか。 …

【読書好き】マニアチェックリスト(人文社会系 編)

1.本屋にいると落ち着く・安心する・ずっといたいと思う。 2.図書館に住みたいと今でも思う。 3.図書館の近くに住みたいと思って物件を探したことがある。 4.図書館から絶版本を取り寄せたことがある。 5.復刊ドットコムで絶版本をリクエストした…

【小説】島本理生 『よだかの片想い』/24歳理系女子の不器用で一途なファーストラブ

左の目から頬にかけてアザがある理系女子大生の前田アイコ。幼い頃から、からかいや畏怖の対象にされ、恋や遊びはあきらめていた。大学院でも研究一筋の生活を送っていたが、「顔にアザや怪我を負った人」のルポルタージュ本の取材を受けて話題となってから…

【小説】白石一文『僕のなかの壊れていない部分』/「死」や「生」について思索する恋愛小説

出版社に勤務する29歳の「僕」は3人の女性と同時に関係を持ちながら、その誰とも深い繋がりを結ぼうとしない。一方で、自宅には鍵をかけず、行き場のない若者2人を自由に出入りさせていた。常に、生まれてこなければよかった、という絶望感を抱く「僕」は驚…

【小説・アニメ】伊藤計劃『ハーモニー <harmony/> 』/魂のために、魂のない世界を作るー逆説の救済思想

「大災禍」と呼ばれる世界規模の混沌から復興した世界。かつて起きた「大災禍」の反動で、世界は極端な健康志向と社会の調和を重んじた、超高度医療社会へと移行していた。 そんな優しさと慈愛に満ちたまがい物の世界に、立ち向かう術を日々考えている少女が…

【純愛】日本文学 110選 Part5(2000〜2005年)

『日本文学にみる純愛百選』から「2000〜2005年」の作品を紹介します。 「秘事」 河野多惠子(こうの・たえこ) 2000 大学卒業後すぐに結婚する三村清太郎と麻子。総合商社に入った清太郎は順調に出世し、夫婦仲も円満で、子や孫にも恵まれる。完璧な順風満…

【純愛】日本文学 110選 Part4(1987〜1999年)

『日本文学にみる純愛百選』から「1987年〜1999年」の作品を紹介します。 「どんなご縁で」 耕治人(こう・はると) 1987 長きにわたり夫を助けてきた80歳の老妻が、老人性痴呆症を示し始める。世話をするのは、これもまた80歳の老夫。経済的余裕もなければ…

【純愛】日本文学 110選 Part3(1971〜1983年)

『日本文学にみる純愛百選』から「1971年〜1983年」の作品を紹介します。 「どくろ杯」 金子光晴(かねこ・みつはる) 1971 1928年から32年に及ぶ、妻、森三千代を伴った、アジア、ヨーロッパ漂泊を回想した自伝三部作の第一作。上海、ジャカルタ等における…

【純愛】日本文学 110選 Part2(1946〜1970年)

『日本文学にみる純愛百選』から「1946年〜1970年」までの作品を紹介します。 「柳橋物語」 山本周五郎(やまもと・しゅうごろう) 1946 たったひとことの「口約束」がもとで、悲運においやられてしまった少女――相次ぐ“災い”に翻弄される江戸庶民の一途な愛…

【純愛】日本文学 110選 Part1(明治〜1941年)

前回紹介した『日本文学にみる純愛百選』より 「明治期から1941年」までの作品を紹介します。(殆どの作品がKindleで無料ダウンロード可能です) 「たけくらべ」 樋口一葉(ひぐち・いちよう) 1896 吉原の伎楼の養女美登利と龍華寺の住職の息子信如。二人の…

『日本文学にみる純愛百選』(芳川泰久監修)

日本文学にみる純愛百選 zero degree of 110 love sentence 作者: 芳川泰久,江南亜美子,荻野哲矢,駿河昌樹,高頭麻子,十重田裕一,三ッ堀広一郎,望月旬,山崎敦,和久田頼男 出版社/メーカー: 早美出版社 発売日: 2007/03/20 メディア: 単行本(ソフトカバー) …

小説『夜のピクニック』(恩田陸 著)/「大人の罪」を描かない「欺瞞的青春小説」

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。 三年間、誰にも言えなかった秘密を精算するためにーー。学校生活の思い出や卒業の夢…

【小説】『ナラタージュ』(島本理生 著)

ナラタージュ (角川文庫) 作者: 島本理生 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2008/02 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 29回 この商品を含むブログ (86件) を見る お願いだから私を壊して、 帰れないところまで連れていって見捨てて、 あなたにはそうす…

【小説】唯川恵 『刹那に似てせつなく』

刹那に似てせつなく (光文社文庫) 作者: 唯川恵 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2004/01 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (10件) を見る 42歳の並木響子は、復讐を遂げた。名前も年齢も偽り、掃除婦として潜り込んだ会社の副社長室で、男を刺し殺した…

『花のもとにて』(堀田あけみ)

花のもとにて (角川文庫) 作者: 堀田あけみ 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2000/01 メディア: 文庫 クリック: 7回 この商品を含むブログ (5件) を見る 「BOOK」データベースより ひそかに憧れていた先輩・大沢を追って、同じ心理学の大学院に入学した響…

「死刑制度」の問題点 〜 国家の自由裁量と「秘密主義」〜

www.bengo4.com 死刑制度はいずれ廃止すべきだと思いますが、ただいきなり廃止を目指すのは不可能だと思っています。やはりイギリスでやったように、死刑執行の停止(モラトリアム)をまずは行って、段階的に廃止に向かうのが現実的だと考えます。 イギリス…

『号泣する準備はできていた』(江國香織)

号泣する準備はできていた (新潮文庫) 作者: 江國香織 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2006/06/28 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 49回 この商品を含むブログ (165件) を見る

『MONSTER』(浦沢直樹)/心に残ったセリフ

MONSTER 完全版(ビッグコミックススペシャル) 全9巻セット 作者: 浦沢直樹 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2008/12/08 メディア: コミック クリック: 5回 この商品を含むブログ (6件) を見る

「信頼性の罠」=「実際には偶然的な出来事の束でしかないものを必然的な出来事であるかのように思わせ、そうすることによって、個人の出生という偶然事を意味あるものにする」〜『現実の社会的構成』(P.バーガー/T.ルックマン著))

社会的存在=組み込まれる自意識 誰からも強要された覚えがないのに、毎朝、自分の姿を鏡でチェックし、身だしなみを整えなければならない。それを経由しないと外へは一歩も出られないといった感じだ。これは、社会を生きる人間にとっての最低限のマナーとさ…

「おせっかいな励ましと忠告」(ナイチンゲール『看護覚え書』)

看護覚え書―看護であること看護でないこと 作者: フロレンスナイチンゲール,Florence Nightingale,湯槇ます,薄井坦子,小玉香津子,田村眞,小南吉彦 出版社/メーカー: 現代社 発売日: 2011/01 メディア: 単行本 購入: 3人 クリック: 29回 この商品を含むブログ…

『所有という神話―市場経済の倫理学』(大庭健 著)

所有という神話―市場経済の倫理学 作者: 大庭健 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2004/07/27 メディア: 単行本 クリック: 6回 この商品を含むブログ (17件) を見る 「市場経済」を倫理学的に考察した書。

猛威を奮う「そんなの仕方ないじゃん!」派たち〜ロールズ先生を一瞬で黙らせる言葉〜

さっき調べて分かったのですが、『正義論』が刊行されて今年で45年目なんですね(ジョン・ロールズ - Wikipedia)。 今でも日本では「ロールズ産業」が続いているようです。 たとえば今月、勁草書房から「ロールズ」と名のつく本が二冊も出版されています。

なぜ「努力」は「信仰」となり人を苦しめ続けるのか 〜 差別・不平等・努力信仰 の関係 〜

「平等」の二つの意味 「差別とは何か」を考えるまえに、まず、「平等とは何か」を考えてみます。 「平等」には大きく分けて、二つの意味があります。 (1) 「同じ」(同質・等しさ)という意味 (2) 公平(公正・正義)という意味 (1)は数的・物理的・性質的…

「差別なき社会」の不可能性

相模原の事件で改めて「差別」について考えています。 様々なブログやSNSを巡り歩いてその意見を参考にさせてもらいました。 結果、やはり「差別主義者」はもちろん、単に「差別反対」と言っている人も間違っていると思いました。

「コミュ力」以前の問題系が語られていない問題

いわゆる「コミュ障」などと一括して問題にされてしまうことの弊害。 そこにはいろんなグラデーションがある。