おんざまゆげ

@スラッカーの思想

雨宮処凛『14歳からの原発問題』/日本で一番わかりやすい原発本

『… 事故が起こるまで、どこかで原発に対して「でも、電力のためには仕方ないよね」と圧倒的多数の人たちが漠然と思っていた。その当事者性の薄い意識が原発を稼働させ続け、どこかで「安全神話」を補完する役割を担っていた。しかし、今、故郷から引き離され、あらゆるものを失った警戒区域やその周辺の人たちに、「でも、電力のためには、日本経済のためには仕方ないよね」と言える人などいるだろうか?… 』

 

14歳からの原発問題 (14歳の世渡り術)

14歳からの原発問題 (14歳の世渡り術)

 

 

 作家・雨宮処凛さんの「日本で一番わかりやすい原発本」。

「14歳の世渡り術シリーズ」から刊行。

 今回も徹底した「雨宮目線」から、元・原発労働者から現場の真実を、社会学者・開沼博さんと歴史社会学者・小熊英二さんから原発の歴史を、「はんげんぱつ新聞」編集長・西尾漠さんから原発のリスクを、獣医・なかのまきこさんから避難区域に取り残された動物たちの話を、そして最後は映画監督・鎌仲ひとみさんから被曝時代を生き抜く方法を、わかりやすく聞き出している。

『… 私は単純に「怖い」「危ない」という動機から脱原発デモに参加するようになった。具体的な代替案を出せるほどの知識なんてないし、「これからの電力をどうするのか」についての名案もない。しかし、素朴に怖いから、誰かの犠牲を強いるのは嫌だから、動物たちが置き去りにされる姿をもう二度と見たくないから、「原発のない世界」を夢みたいし、目指したい。その理想のために、何をどうしていくのかがこれからの大きな課題だと思っている。… 』

 同じく、当事者性の薄かった自分に猛省を促し、「原発のない世界」をどうやってつくっていくかを考え続けたい。