おんざまゆげ

"感受性マイノリティ男子"が綴る日々の雑記・雑感… 読書、映画、アニメの感想。

『図書館「超」活用術』/なぜ図書館は税金で運営されるのか

 今、図書館がスゴいことになっている!? 集中力、発想力、思考力、教養力を得るためのすべてがあった! 一人ひとりが「答えなき問題」への解を出し、自己決定しなければならない時代。司書資格ももつ著者が、最強の使い倒し方を伝授!

 

 序章  図書館の「場」としての力

 第1章 「集中力」編―作業効率アップ・サードプレイス・知の空間として
 第2章 「発想力」編―セレンディピティ・視点転換・拡散思考
 第3章 「思考力」編―情報収集・調査・分析・意思決定・判断・集中思考
 第4章 「教養力」編―生涯学習・独学・雑学・レクリエーション・スキルアップ
 第5章 図書館のトリセツ―もっと図書館を知り、使い倒す達人になる!
 第6章 「使える図書館」を探すための7つのチェックポイント

 

 

図書館ガイド 

 内容としては「図書館ガイドブック」的なもの。普段から図書館を利用している人は特に読む必要はないと思う。(ネットで「図書館」というキーワードで調べればこの本を読まなくてもいい)

 だから引用したいポイントもなかった。

 

「図書館 徒歩1分」

 私は図書館では熟読できないタイプの人間なので、図書館では専ら「選ぶこと」に専念している。本を読まなくても「発見の楽しさ」だけでワクワクする。目的の本が無かったときの落胆を経験することは多いが、それでも背表紙を見るだけで満足感が得られる。

 「図書館 徒歩1分」の物件を本気で探したことがある。不動産屋にはそのようなリサーチはしていないと断られたが、もし徒歩1分くらいだったら自分の書斎のように思えるだろう。夢のような立地条件だ。

 しかし、物件の質よりも図書館の質の方に注意が集中する。物件はおんぼろアパートでもいいが、図書館がおんぼろ図書館では耐えられない。住むのならちゃんとした図書館の徒歩1分圏内だ。

 

図書館は共同体の豊かさを計る指標になる 

 大学生のときに全国の主要な図書館を「格付けする」という計画を立てたことがある。北は北海道から南は沖縄まで調べ歩く「図書館めぐりの旅」計画。資金不足で断念したが、そのとき考えた格付けの指標の中に「絶版本の所蔵」がある。絶版本は市場(本屋さん)では手に入らない(古本屋では売っているかもしれないが入手困難)*1

 「絶版」とは出版社が何らかの事情で版を重ねることを断念すること。つまり、市場の原理に屈することである。一方の図書館は市場の原理で運用されてはいない。本屋さんと公共図書館の大きな違いはその点にある。

 福祉の分野でニード(必要)という概念があるが、これは市場の原理(需要)のことではない。本屋さんは「需要」にもとづくが図書館は「必要」にもとづく。本来その二つ(本屋と図書館)は別種の原理で運営されるべきであり、図書館には新刊を置くべきではないと説く人もいる。そのような人たちは郷土史や古典、絶版本のように市場向きではないが価値のある本をこそ、図書館が公共的使命にもとづき所蔵すべきだと言う。

 なぜ図書館は住民の税金で運営されるのか。本屋さんのように新刊を置くためではないと思う。だが、お金がなくて新刊が買えない人もいる。実は図書館というのは、たんに市場にはじかれる稀少価値のある本だけを集める機関ではなく、誰もが平等に読みたい本にアクセスできる機会を保障するという再分配機能もある。おそらくこちらの方がむしろ重要だろう。『健康で文化的な最低限度の生活』の文化的な生活を担保する機関だと考えられるからだ。だから新刊は一定冊数、置くべきである。

 そう考えると、図書館というのは生存権社会権)と密接に関係している。私たちが連帯していることの証であり、助け合っていることの証左だ。もし図書館が立地されていて充実しているとしたら、私たちは個人的幸福以上の幸福を達成しているということになる。もし図書館が貧弱で見捨てられた廃墟のようになってしまうのなら、これは文化的危機であると同時に連帯的危機である。とある土地のとある図書館に訪れるというのは、その土地の共同体の豊かさを知る上ではかかせないチェック項目になるはずだ。*2

図書館マップ | カーリル

Jcross - 図書館と図書館にかかわる人たちのサイト

カーリル | 日本最大の図書館蔵書検索サイト

CiNii Books - 大学図書館の本をさがす - 国立情報学研究所

日本図書館協会

国立国会図書館―National Diet Library

*1:「図書館の格付け指標」について。

 統計データ(蔵書数・利用率・貸出率・人員数など)の他に質的データ(雰囲気・レイアウト・バリアフリー度・館員の対応など)がある。やはりその場に行かなければ分からない質的データの方が重要である。特に公共図書館バリアフリー度はその地域全体のバリアフリーがどの程度進んでいるかを知るための大まかな目安になる。

 

*2:「図書館=共同体の豊かさ」について。

 公共図書館は地域のコミュニティの拠点になりうると思う。利用者の年齢層も高齢の方が多くなってきている。図書館に「居場所」のようなスペースを率先して作っている図書館もあるが、地域によっては消極的(官僚的)でただ本を貸し出す作業をやっているだけのところがある。

 

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