おんざまゆげ

@スラッカーの思想

出生性

反出生主義に訣別!——わたしたちは個々人の人生の内部から「生まれてきてよかった」と思えるような人生をめざすほかない

デイヴィッド・ベネターの誕生否定と反出生主義 「非存在者」(未だ存在していない者)をこの世に存在させることは道徳的に許されない悪である。したがってすべての人間は子どもを生むべきではない。反出生主義者のデイヴィッド・ベネターは概ねそのようなこ…

「生まれる自由」という幻想

主観主義の立場に立つかぎり、生む側と生まれる側の非対称性は厳として存在する。しかし、ここから〈生む側には「生む/生まない」の選択肢があるが、生まれる側には「生まれる/生まれない」の選択肢はない。生まれる側は「生まれたい」と思ったわけではな…

「生まれてこない方がよかった」/デイヴィッド・ベネターの誕生否定と反出生主義

今回はデイヴィッド・ベネターの主著『生まれてこない方が良かった —— 存在してしまうことの害悪』で展開されている「反出生主義」について考えてみたい。 反出生主義 「子どもを生むべきではない」 反出生主義と出生主義 ベネターの立場 「客観主義・功利主…

「人生の意味」と「人生の不条理」ー死についての雑記(3)了

「あなたはなぜ、生きるのか」 「あなたはなぜ、生まれてきたのか」 「あなたはなぜ、死ななければならないのか」 「あなたはなぜ、死ななければならないのに生きるのか」 「あなたはなぜ、死ななければならないのに生まれてきたのか」 そのような問いかけや…

「個性」についての雑記

「個性」という言葉はいろんな意味で使用されています。たとえば「個性を伸ばす教育」とか「個性的な人」とか「障害は個性だ」*1…など。 あるいは、金子みすずさんの有名な詩『私と小鳥と鈴と』の「みんなちがってみんないい」とか『世界に一つだけの花』の…

白石一文『僕のなかの壊れていない部分』/「死」や「生」について思索する恋愛小説

出版社に勤務する29歳の「僕」は3人の女性と同時に関係を持ちながら、その誰とも深い繋がりを結ぼうとしない。一方で、自宅には鍵をかけず、行き場のない若者2人を自由に出入りさせていた。常に、生まれてこなければよかった、という絶望感を抱く「僕」は驚…

「信頼性の罠」=「実際には偶然的な出来事の束でしかないものを必然的な出来事であるかのように思わせ、そうすることによって、個人の出生という偶然事を意味あるものにする」〜『現実の社会的構成』(P.バーガー/T.ルックマン著))

社会的存在=組み込まれる自意識 誰からも強要された覚えがないのに、毎朝、自分の姿を鏡でチェックし、身だしなみを整えなければならない。それを経由しないと外へは一歩も出られないといった感じだ。これは、社会を生きる人間にとっての最低限のマナーとさ…

「子どもを生むこと」についての雑記

「子ども…つくるの恐ろしい…」 「子どもが欲しい」って当たり前?なのでしょうか…。 僕は「子どもを生む」ということに関して、中学生の頃からずっと考えてきています。僕にとっては「子どもを生む」ということはまったくの「自然なこと」だとは思えない。な…

「子どもが欲しい」って当たり前?

以前、山口智子さんが雑誌のインタビューで子どもを持たない人生を選択したことについて「一片の後悔もない」という発言をして話題になってました。 blogos.com