チェルノブイリ事故後の1992年に刊行され、ずっと品切れ状態になっていた小出さんの名著が3.11後に緊急復刊。「まえがき」のみが新しく書き下ろされており、その他の本文は加筆などはされていない。
放射能の危険性を科学的に説明する部分もあるが、それ以上に「チェルノブイリ原発事故にともなう〈放射能汚染〉に対して我々はどのように対するべきなのか—」という「生き方」の問題としての原発問題・放射能汚染問題にその多くが割かれている。
『… 私を含めた大人には、責任のない者は一人もいない。農業・漁業を崩壊から守るためには、私たち大人があえて汚染食品を食べるしかないというのが、二十年前に本書で私が書いたことである。…』
3.11原発事故後も小出さんは同じようなことを言っていたが、この本でもやはりその厳しい「責任論」(義務を超えた覚悟)は展開されている。