おんざまゆげ

@スラッカーの思想

2019-01-01から1年間の記事一覧

「日常生活に潜むリバタリアニズム」— 再分配政策(生存権保障)の正当性・社会保障のあり方・分配的正義論(引用メモ)

「日常生活に潜むリバタリアニズム」(=「わたしが働いて得たお金はすべてわたしのものだ」というロジック)を批判する主張(引用メモ)を紹介する。批判対象は主にロック的所有権論=ノージック的リバタリアニズムである。具体的には、租税の正義論・分配的…

トランスフォビアとパス至上主義 —— セクシュアリティ・フェミニズム・クィア理論 (4)

今回はトランスセクシュアル(TS)に対する差別と、このTS差別(トランスフォビア)の根底にあると思われる本質主義的性別二元論(=パス至上主義)について考えてみたい。 TS(トランスセクシュアルの略)の問題系は、現存の性の制度に生きるすべての人の問題系で…

ポルノ擁護論とマスターベーション論 ——セクシュアリティ・フェミニズム・クィア理論 (3)

今回はいままでの流れとはちょっと外れて、上野千鶴子さんのセクシュアリティ定義、ポルノグラフィ擁護論(=表現の自由を擁護し、ポルノ規制に反対する立場)、マスターベーション論を考えてみたい。 性欲/性行為/性関係 上野千鶴子のポルノ擁護論 マスター…

社会構築主義と「クィア存在」の可能性 —— セクシュアリティ・フェミニズム・クィア理論 (2)

前回は異性愛主義について論じた。要約すると以下のようになる。 異性愛主義(ヘテロセクシズム)は、性差別(セクシズム) —— 性差の階層秩序(女性差別)と性対象の階層秩序(同性愛差別) —— をつくりだし、この性差別のうえに支えられているのが異性愛主…

異性愛主義と性差別 —— セクシュアリティ・フェミニズム・クィア理論 (1)

今回は竹村和子さんの書籍(論文集や対談集)などをひもときながら「セクシュアリティ」について考えてみたいと思います。 すなわち [ヘテロ]セクシズムが、わたしの身体/精神の隅々までを構造化している … (竹村 2002:135) なぜ「セクシュアリティ」を問う…

『安心して絶望できる人生』/「生きづらさ」の当事者研究

今回は「当事者研究」に関する書籍をご紹介いたします。ソーシャルワーカーの向谷地 生良(むかいやち いくよし)さんが2006年に出版した著書『安心して絶望できる人生』をひもときながら当事者研究の概要を以下にまとめてみました。 当事者研究とは、北海道…

生き延びるための読書計画 2019 — 労働・貧困・セクシュアリティ

「計画」と言っても適当です... 「生きづらさ」低減に向けた「生き延びるための読書」計画を立てました。計画といってもざっくりした大枠ですので、計画から逸れて他の分野に飛ぶかもしれません。 あと、一年間でやれるかどうかは私の精神的な気分・体調と自…