おんざまゆげ

@スラッカーの思想

2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「人生の意味」と「人生の不条理」ー死についての雑記(3)了

「あなたはなぜ、生きるのか」 「あなたはなぜ、生まれてきたのか」 「あなたはなぜ、死ななければならないのか」 「あなたはなぜ、死ななければならないのに生きるのか」 「あなたはなぜ、死ななければならないのに生まれてきたのか」 そのような問いかけや…

死はなぜ悪なのか?― 「死」についての雑記(2)

なぜ、死んでしまうことは「悪い」ことなんでしょうか。 これは明らかに馬鹿げた問いであるように思います。 死んでしまうことが悪いことなのは、あらためて問うまでもなく自明であると思われます。しかし、そこで想定されているのは二人称(あなた)の死や…

「死」と人称性——「死」についての雑記(1)

1.死と人称性 一人称(私)、二人称(あなた)、三人称(他人・彼)。 これらの人称性の違いによって死の意味が変わってきます。 では、どのような違いがあるのか。 以下ではその違いを考えてみます。

【映画】『冷たい熱帯魚』/狂気の「でんでん」、覚醒する「吹越」。そして人生は痛い!

あらすじ 「紀子の食卓」「愛のむきだし」の園子温監督が、当時マスコミを賑わせた“埼玉愛犬家殺人事件”をベースに、ふとしたはずみから極悪非道な男に取り込まれ、後戻りの出来ない深い闇の世界へと落ちていく主人公の姿を、ブラックユーモアを散りばめつつ…

白石一文『ほかならぬ人へ』/「嗅覚恋愛」という新機軸

【あらすじ】 二十七歳の宇津木明生は、財閥の家系に生まれた大学教授を父に持ち、学究の道に進んだ二人の兄を持つ、人も羨むエリート家系出身である。しかし、彼は胸のうちで、いつもこうつぶやいていた。「俺はきっと生まれそこなったんだ」。 サッカー好…

「エコロジカルな自己」とは何か/河野哲也『〈心〉はからだの外にある——「エコロジカルな私」の哲学』

「性格」なんてナンセンス 脱スピリチュアル宣言! 自分探しの正しいあり方を明らかにする デカルト的発想を覆す 〈心〉とは、自己の内に閉ざされたプライベートな世界なのか? 環境と影響しあうエコロジカルな〈心〉という清新な視点から、他者や社会と生き…

「個性」についての雑記

「個性」という言葉はいろんな意味で使用されています。たとえば「個性を伸ばす教育」とか「個性的な人」とか「障害は個性だ」*1…など。 あるいは、金子みすずさんの有名な詩『私と小鳥と鈴と』の「みんなちがってみんないい」とか『世界に一つだけの花』の…