読書メモ
三宅香帆 著『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書,2024年)を読んだので、以下でその要約と異論を述べたいと思う。 簡単に要約すると、働いていると本が読めなくなるのは、日本の雇用システムがいまだに長時間労働(全身全霊で働く社会)だから…
「日常生活に潜むリバタリアニズム」(=「わたしが働いて得たお金はすべてわたしのものだ」というロジック)を批判する主張(引用メモ)を紹介する。批判対象は主にロック的所有権論=ノージック的リバタリアニズムである。具体的には、租税の正義論・分配的…
今回はトランスセクシュアル(TS)に対する差別と、このTS差別(トランスフォビア)の根底にあると思われる本質主義的性別二元論(=パス至上主義)について考えてみたい。 TS(トランスセクシュアルの略)の問題系は、現存の性の制度に生きるすべての人の問題系で…
今回はいままでの流れとはちょっと外れて、上野千鶴子さんのセクシュアリティ定義、ポルノグラフィ擁護論(=表現の自由を擁護し、ポルノ規制に反対する立場)、マスターベーション論を考えてみたい。 性欲/性行為/性関係 上野千鶴子のポルノ擁護論 マスター…
前回は異性愛主義について論じた。要約すると以下のようになる。 異性愛主義(ヘテロセクシズム)は、性差別(セクシズム) —— 性差の階層秩序(女性差別)と性対象の階層秩序(同性愛差別) —— をつくりだし、この性差別のうえに支えられているのが異性愛主…
今回は竹村和子さんの書籍(論文集や対談集)などをひもときながら「セクシュアリティ」について考えてみたいと思います。 すなわち [ヘテロ]セクシズムが、わたしの身体/精神の隅々までを構造化している … (竹村 2002:135) なぜ「セクシュアリティ」を問う…
今回は「当事者研究」に関する書籍をご紹介いたします。ソーシャルワーカーの向谷地 生良(むかいやち いくよし)さんが2006年に出版した著書『安心して絶望できる人生』をひもときながら当事者研究の概要を以下にまとめてみました。 当事者研究とは、北海道…
「計画」と言っても適当です... 「生きづらさ」低減に向けた「生き延びるための読書」計画を立てました。計画といってもざっくりした大枠ですので、計画から逸れて他の分野に飛ぶかもしれません。 あと、一年間でやれるかどうかは私の精神的な気分・体調と自…
9月以来、ブログを放置していました。 いろいろ理由はあるのですが、3つあげるなら、1) モチベ低下 2) 精神的な気力低下 3) 読書時間低下......といったところです。 振り返れば2016年、2017年は年間で60記事以上は書いていました。最低でも週に1回は更新し…
著者である「マーサ・ヌスバウム教授」の経歴 アメリカのシカゴ大学教授で女性哲学者。専門はアリストテレス研究だが、哲学以外にも古典学、政治哲学、法哲学、教育学、フェミニズムなど多数の著作があり、幅広い分野で活躍している。2016年には京都賞を受賞…
7月〜8月の新刊(新書・選書)です。 選定ルールは、 ・7月〜8月に出版された興味ありがちな新書・選書。 ・独断と偏見チョイス
7月〜8月の新刊(文庫)です。 選定ルールは、 ・7月〜8月に出版された興味ありがちな文庫。 ・独断と偏見チョイス
第155回芥川賞受賞作! 36歳未婚女性、古倉恵子。 大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。これまで彼氏なし。 オープン当初からスマイルマート日色駅前店で働き続け、 変わりゆくメンバーを見送りながら、店長は8人目だ。 日々食べるのはコンビニ…
只今Kindle本の50%OFF以上セールが開催中です。 期間は2018年7月3日(火)00時00分~2018年7月17日(火)23時59分まで。 対象タイトル30,000点以上です。 そのうちおすすめの厳選100冊を以下でご紹介いたします。 哲学 歴史 文学・エッセイ 自己啓発・人生論…
6月の新刊(文庫)チェックです。 選定ルールは、 ・6月に出版された興味ありがちな文庫本。
6月の新刊(新書・選書)チェックです。 選定ルールは、 ・6月に出版された興味ありがちな新書・選書
本書は2005年に刊行された「よりみちパン!セ」という有名なシリーズの一冊。 *1 いのちの食べかた (よりみちパン!セ) 作者: 森達也 出版社/メーカー: 理論社 発売日: 2004/11/19 メディア: 単行本 購入: 20人 クリック: 461回 この商品を含むブログ (185件)…
4〜5月の新刊(文庫)チェックです。 選定ルールは、 ・4〜5月頃に出版された本(文庫)。 ・興味ありがちな10冊精選。
4〜5月の新刊(新書)チェックです。 選定ルールは、 ・4〜5月頃に出版された本。 ・興味ありがちな10冊精選。
2005年に出版された白石一文さんの長編小説。2014年にはWOWOWにてドラマ化もされました。 【内容】 大手メーカーの営業部に総合職として勤務する冬木亜紀は、元恋人・佐藤康の結婚式の招待状に出欠の返事を出しかねていた。康との別離後、彼の母親から手紙を…
著者の経歴と本書の内容 今回紹介する本はシュラミス・ファイアストーン [ Shulamith Firestone ] が著した『性の弁証法』。副題は「女性解放革命の場合」です。ファイアストーンは1945年カナダ・オタワに生まれ、大学では美術の学位を取得。その後、画家と…
2〜3月の新刊(新書)チェックです。 選定ルールは、 ・2〜3月頃に出版された本。 ・興味ありがちな10冊精選。
前回のつづきです。 ⇒Amazon.co.jp: 講談社の書籍・雑誌・写真集 50%ポイント還元キャンペーン: Kindleストア(2018年2月8日(木) 23時59分まで) ブルーバックス 単行本
前回のつづきです。 ⇒Amazon.co.jp: 講談社の書籍・雑誌・写真集 50%ポイント還元キャンペーン: Kindleストア(2018年2月8日(木) 23時59分まで) 学術文庫 選書メチエ 現代新書
只今AmazonのKindle本(講談社)が50%ポイント還元(実質半額)セールをやっているようです。(2018年2月8日(木) 23時59分まで) ⇒Amazon.co.jp: 講談社の書籍・雑誌・写真集 50%ポイント還元キャンペーン: Kindleストア もちろんお買い得なのですが、講談…
1月の新刊(新書・選書)チェックです。 選定ルールは、 ・1月頃に出版された本(書店によっては12月末) ・"興味ありがち"な20冊精選。
1月の新刊(単行本・文庫)チェックです。 選定ルールは、 ・1月頃に出版された本(書店によっては12月末) ・"興味ありがち"な20冊精選。
今回はデイヴィッド・ベネターの主著『生まれてこない方が良かった —— 存在してしまうことの害悪』で展開されている「反出生主義」について考えてみたい。 反出生主義 「子どもを生むべきではない」 反出生主義と出生主義 ベネターの立場 「客観主義・功利主…
今年出版された本のなかで本当に読んでよかったと感じたものだけを三冊ほど選びました。 明るく死ぬための哲学 生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方 ブラック部活動 子どもと先生の苦しみに向き合う 読者の皆様へ
12月の新刊(新書・選書・文庫)チェックです。 選定ルールは、 ・12月頃に出版された本(書店によっては11月末) ・「今すぐに購入したい!」とまではいかないが興味ありがちな20冊精選。