おんざまゆげ

"感受性マイノリティ男子"が綴る日々の雑記・雑感… 読書、映画、アニメの感想。

雨宮処凛『生きさせる思想―記憶の解析、生存の肯定』/単なる「労働運動」から「労働/生存運動」(生きさせる思想)へ

「生きさせる思想」とは…

 雨宮処凛さんと小森陽一さんとの対談本。
 前半は雨宮さんの個人史がテーマになっています(記憶の解析→雨宮さんを苦しめていた「生きづらさ」はいったい何に由来するものだったのか。 )
 自分自身を責めつづける方向(リストカット)から社会的な構造問題(労働/生存問題)へとシフトしていく過程が詳細に語られています。

 

生きさせる思想―記憶の解析、生存の肯定

生きさせる思想―記憶の解析、生存の肯定

 
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赤木智弘『若者を見殺しにする国』/「人が死ななくても変われる社会」はいつ来るのか

論座」(2007年1月号)に寄稿した論文「『丸山眞男』をひっぱたきたい~31歳フリーター。希望は、戦争。」収録の文庫版。 

若者を見殺しにする国

若者を見殺しにする国

 

 

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『顔ニモマケズ』ーどんな「見た目」でも幸せになれることを証明した9人の物語/「見た目問題」固有の困難は「障害」である

「視線のとまどい」 

 彼らに見つめられると、心の中に言葉にならない感情が生まれる。

 まっすぐに見つめ返すと、傷つけてしまうのではないか。

 かといって、急に目をそらすのも失礼だ。

 視線をどこに向けたらよいのか分からない戸惑いと葛藤。

 病気やケガによって、普通とは異なる顔を持った人たちがいる。

 でも普通って何だろう?

 普通の顔と普通でない顔の違いはどこにあるのだろう?

 そして彼らの視線は、私たちに何を問いかけているのだろう。

ユニークフェイスの戦い」より

 

顔ニモマケズ ―どんな「見た目」でも幸せになれることを証明した9人の物語

顔ニモマケズ ―どんな「見た目」でも幸せになれることを証明した9人の物語

 

 

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『生を肯定する倫理へ―障害学の視点から』/「生を無条件に肯定する」思想

 障害学の視点から英米圏の倫理学説(ロールズ「正義論」やシンガー「選好功利主義」など)を批判的に検討し、立岩真也森岡正博レヴィナスデリダの「他者」概念などを導入しながら「生を無条件に肯定する倫理」を構想する書。

 

生を肯定する倫理へ―障害学の視点から

生を肯定する倫理へ―障害学の視点から

 

 

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『強いられる死 自殺者三万人超の実相』/自殺者は本質的には減ることはない

 

 

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『「若者奴隷」時代 “若肉老食(パラサイトシルバー)”社会の到来』/世代間格差問題と「高齢者=弱者」図式

 嫌韓流』の作者が世代間格差を切り口に「若者の貧困問題」について論じたマンガ。

  作者は、若者は高齢者の奴隷になっている(若者奴隷時代!)と主張。

 マンガながらもデータなどを駆使してその論拠を説得的に示していく。

 

「若者奴隷」時代 “若肉老食(パラサイトシルバー)”社会の到来 (晋遊舎ムック)
 

 

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どうすれば「自己尊敬」(セルフリスペクト)できるのかー「生きづらさ」についての雑記(2)

 外国の翻訳された自己啓発書などを読んでいると「自分自身を尊敬する」という言葉をよく見かけます。私はどうしてもその自己尊敬(セルフリスペクト)という感覚が分かりませんでした。他者に対して尊敬の念を抱くことはあっても、自分自身に対して尊敬の念を抱くというのはいったいどういう感覚なのか、どういうことを意味しているのか、さっぱり分からないのです。

「自分自身を尊敬する」という感覚は、どうしても「自己愛の肥大した傲慢不遜な態度」を思い浮かべてしまいます。

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雨宮処凛『小心者的幸福論』/適当にゆる~く生きよう!

 

小心者的幸福論

小心者的幸福論

 

 

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「生きづらさ」低減に向けた「生存学」のアプローチ —「生きづらさ」についての雑記(1)

「生きづらさ」はゼロにはならない

 私がブログで本当に考えたいテーマは「生きづらさの低減」についてです。ずっと念頭にあるのが「どうやったら生きづらさを生きづらさとして受け容れられるのか」という難問です。

 生きづらさは決してゼロにはならないと思います。

 生きづらさが問題になるのは

(1)「生きづらさ」という感情がいったい何に由来しているのかが分からないこと

(2)生きづらさを強引にゼロにしようとしてがんばってしまうこと

 にあると思います。

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『男と女の友人主義宣言―恋愛・家族至上主義を超えて』/労働・恋愛結婚・モテ幻想から「男を救う」ために

 著者の佐藤和夫さんは哲学やジェンダー論が専門の学者で、有名な著作に『仕事のくだらなさとの戦い』がある。これは「労働至上主義」を批判した本であるが、今回の本では「恋愛・家族至上主義」を批判している。

 資本主義社会を支えている二つの至上主義(労働と恋愛=結婚)に注目することは生きづらさが蔓延している昨今、とても重要であると思う。*1

 

*1: 佐藤和夫さんとは…

 その他にハンナ・アーレントの『精神の生活』や『政治とは何か』の翻訳も手がけている。

 

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