おんざまゆげ

"感受性マイノリティ男子"が綴る日々の雑記・雑感… 読書、映画、アニメの感想。

『だれか、ふつうを教えてくれ!』/「普通」という権力を疑う

よりみちパン!セ」シリーズの一冊。

 20代前半まで弱視者としてすごし、現在はほぼ全盲にちかい視力の著者が「障害学」の視点から「ふつう」について考察した本です。

 

だれか、ふつうを教えてくれ! (よりみちパン!セ)

だれか、ふつうを教えてくれ! (よりみちパン!セ)

 

 

いったい「ふつう」とは何なのか

「ふつう」の前提基準が「空気」なら山本七平、「世間」なら阿部謹也、みたいな日本人独得の体質(日本人論)が染み付いた観念と思われる「ふつう」意識。*1

「ふつう」という「空気」は私たちの意識や行動を縛り、日常性に潜む権力となっている。

 著者が指摘するのは、誰もが住みやすい社会を目指す「共生社会のルールの公正さ」。これに関わる問題として「ふつう」を疑う視点が重要であると言います。なぜなら、誰もが自明視している「ふつう」には、偏った見方、ある一部の人を不利な立場へと追いやってしまうような差別的な要素が含まれている場合があるからです。

 昨年4月に施行された「障害者差別解消法」の「合理的配慮」もそのようなマインド(ふつうって何だ?と問う習慣)が必要であると思います。

 「障害学」の入門には最適の一冊です。

 

*1:「空気」と「世間」

山本七平 著 「空気」の研究

阿部謹也 著 「世間」とは何か

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