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おんざまゆげ

"感受性マイノリティ男子"が綴る日々の雑記・雑感… 読書、映画、アニメの感想。

生きづらさ

赤木智弘『若者を見殺しにする国』/「人が死ななくても変われる社会」はいつ来るのか

「論座」(2007年1月号)に寄稿した論文「『丸山眞男』をひっぱたきたい~31歳フリーター。希望は、戦争。」収録の文庫版。 若者を見殺しにする国 作者: 赤木智弘 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2013/09/11 メディア: Kindle版 この商品を含むブロ…

『顔ニモマケズ』ーどんな「見た目」でも幸せになれることを証明した9人の物語/「見た目問題」固有の困難は「障害」である

「視線のとまどい」 彼らに見つめられると、心の中に言葉にならない感情が生まれる。 まっすぐに見つめ返すと、傷つけてしまうのではないか。 かといって、急に目をそらすのも失礼だ。 視線をどこに向けたらよいのか分からない戸惑いと葛藤。 病気やケガによ…

『生を肯定する倫理へ―障害学の視点から』/「生を無条件に肯定する」思想

障害学の視点から英米圏の倫理学説(ロールズ「正義論」やシンガー「選好功利主義」など)を批判的に検討し、立岩真也や森岡正博、レヴィナスやデリダの「他者」概念などを導入しながら「生を無条件に肯定する倫理」を構想する書。 生を肯定する倫理へ―障害…

『強いられる死 自殺者三万人超の実相』/自殺者は本質的には減ることはない

強いられる死 ---自殺者三万人超の実相 (河出文庫) 作者: 斎藤貴男 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2012/10/05 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る

どうすれば「自己尊敬」(セルフリスペクト)できるのかー「生きづらさ」についての雑記(2)

外国の翻訳された自己啓発書などを読んでいると「自分自身を尊敬する」という言葉をよく見かけます。私はどうしてもその自己尊敬(セルフリスペクト)という感覚が分かりませんでした。他者に対して尊敬の念を抱くことはあっても、自分自身に対して尊敬の念…

雨宮処凛『小心者的幸福論』/適当にゆる~く生きよう!

小心者的幸福論 作者: 雨宮処凛 出版社/メーカー: ポプラ社 発売日: 2011/03/05 メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 8回 この商品を含むブログ (4件) を見る

「生きづらさ」低減に向けた「生存学」のアプローチ —「生きづらさ」についての雑記(1)

「生きづらさ」はゼロにはならない 私がブログで本当に考えたいテーマは「生きづらさの低減」についてです。ずっと念頭にあるのが「どうやったら生きづらさを生きづらさとして受け容れられるのか」という難問です。 生きづらさは決してゼロにはならないと思…

『男と女の友人主義宣言―恋愛・家族至上主義を超えて』/労働・恋愛結婚・モテ幻想から「男を救う」ために

著者の佐藤和夫さんは哲学やジェンダー論が専門の学者で、有名な著作に『仕事のくだらなさとの戦い』がある。これは「労働至上主義」を批判した本であるが、今回の本では「恋愛・家族至上主義」を批判している。 資本主義社会を支えている二つの至上主義(労…

『だれか、ふつうを教えてくれ!』/「普通」という権力を疑う

「よりみちパン!セ」シリーズの一冊。 20代前半まで弱視者としてすごし、現在はほぼ全盲にちかい視力の著者が「障害学」の視点から「ふつう」について考察した本です。 だれか、ふつうを教えてくれ! (よりみちパン!セ) 作者: 倉本智明 出版社/メーカー: イ…

山田ズーニー『「働きたくない」というあなたへ』/就活生に向けたエール!

「ほぼ日刊イトイ新聞」の連載「おとなの小論文教室。」を書籍化したもの。 主に読者とのメールのやりとりで構成されており、大学の就活セミナー講師で経験したエピソードをまじえながら、「働くことの意味」について読者と一緒に考えていくスタイル。 「働…

【小説】京極夏彦『死ねばいいのに』/去る者は日々に疎し… 誰も「あなた」を覚えていない。

死んだ女のことを教えてくれないか。三箇月前、自宅マンションで何者かによって殺された鹿島亜佐美。突如現れた無礼な男が、彼女のことを私に尋ねる。私は彼女の何を知っていたというのだろう。交わらない会話の先に浮かび上がるのは、人とは思えぬほどの心…

【小説】平野啓一郎『空白を満たしなさい』/「分人」という生き方

ある日、勤務先の会社の会議室で目覚めた土屋徹生は、自分が3年前に死亡したことを知らされる。死因は「自殺」。しかし、愛する妻と幼い息子に恵まれ、新商品の開発に情熱を注いでいた当時の自分に自殺する理由など考えられない。 じつは自分は殺されたので…

【漫画】倉田嘘『百合男子』/百合に命を懸ける男

一見イケメンな眼鏡男子高生・花寺啓介。普通に彼女とかいそうな彼なのだが、その正体は、少女同士の恋愛を主に描いた“百合”に萌えてしまう“百合男子”だったのだ・・・!! 百合が好きだ。しかしそこに男である自分は存在しない・・・いや、してはならない!! そんな…

【漫画】水城せとな『窮鼠はチーズの夢を見る/俎上の鯉は二度跳ねる』/男同士の関係を迫られ…!?

大学の後輩・今ヶ瀬との再会…。それは恭一の妻が彼に浮気調査を依頼したのがきっかけだった。浮気の事実を隠す代わりに、今ヶ瀬に男同士の関係を迫られ…!? 水城せとなの大人気作品が、新作書きおろしを加え、新装版で登場!! 限りなく切ないアダルト・ラブス…

【小説】遠藤周作『沈黙』/あの人は沈黙していたのではなかった…

島原の乱が鎮圧されて間もないころ、キリシタン禁制のあくまで厳しい日本に潜入したポルトガル司祭ロドリゴは、日本人信徒たちに加えられる残忍な拷問と悲惨な殉教のうめき声に接して苦悩し、ついに背教の淵に立たされる……。神の存在、背教の心理、西洋と日…

【映画】『her/世界でひとつの彼女』/恋愛に肉体はいらない?

人生にときめく、AI(人工知能)。 声だけの君と出会って、世界が輝いた。 「マルコヴィッチの穴」「かいじゅうたちのいるところ」のスパイク・ジョーンズ監督が「ザ・マスター」のホアキン・フェニックスを主演に迎えて贈る異色ラブ・ストーリー。コンピ…

「人生の意味」と「人生の不条理」ー死についての雑記(3)了

「あなたはなぜ、生きるのか」 「あなたはなぜ、生まれてきたのか」 「あなたはなぜ、死ななければならないのか」 「あなたはなぜ、死ななければならないのに生きるのか」 「あなたはなぜ、死ななければならないのに生まれてきたのか」 そのような問いかけや…

【映画】『冷たい熱帯魚』/狂気の「でんでん」、覚醒する「吹越」。そして人生は痛い!

あらすじ 「紀子の食卓」「愛のむきだし」の園子温監督が、当時マスコミを賑わせた“埼玉愛犬家殺人事件”をベースに、ふとしたはずみから極悪非道な男に取り込まれ、後戻りの出来ない深い闇の世界へと落ちていく主人公の姿を、ブラックユーモアを散りばめつつ…

【小説】白石一文『ほかならぬ人へ』/「嗅覚恋愛」という新機軸

【あらすじ】 二十七歳の宇津木明生は、財閥の家系に生まれた大学教授を父に持ち、学究の道に進んだ二人の兄を持つ、人も羨むエリート家系出身である。しかし、彼は胸のうちで、いつもこうつぶやいていた。「俺はきっと生まれそこなったんだ」。 サッカー好…

「個性」についての雑記

「個性」という言葉はいろんな意味で使用されています。たとえば「個性を伸ばす教育」とか「個性的な人」とか「障害は個性だ」*1…など。 あるいは、金子みすずさんの有名な詩『私と小鳥と鈴と』の「みんなちがってみんないい」とか『世界に一つだけの花』の…

【映画】『森崎書店の日々』/失恋した女性が「古本」に癒やされ立ち直る!

世界一の本の街“神田神保町”を舞台にした同名短編を基に、失恋の痛みを抱え、ひょんなことから古書店に居候することになったヒロインが、奥深い本の世界と接することで少しずつ心の傷を癒やし成長していく姿を綴るハートフル・ドラマ。主演はモデルとして活…

【小説】島本理生 『よだかの片想い』/24歳理系女子の不器用で一途なファーストラブ

左の目から頬にかけてアザがある理系女子大生の前田アイコ。幼い頃から、からかいや畏怖の対象にされ、恋や遊びはあきらめていた。大学院でも研究一筋の生活を送っていたが、「顔にアザや怪我を負った人」のルポルタージュ本の取材を受けて話題となってから…

【小説】白石一文『僕のなかの壊れていない部分』/「死」や「生」について思索する恋愛小説

出版社に勤務する29歳の「僕」は3人の女性と同時に関係を持ちながら、その誰とも深い繋がりを結ぼうとしない。一方で、自宅には鍵をかけず、行き場のない若者2人を自由に出入りさせていた。常に、生まれてこなければよかった、という絶望感を抱く「僕」は驚…

【映画】『ラブ&ピース』(園子温 監督)/長谷川博己さんのふざけた演技がいい!

「冷たい熱帯魚」「地獄でなぜ悪い」の園子温監督が奇想天外なストーリー展開で描く笑いと感動の痛快エンタテインメント・ムービー。冴えない主人公が一匹のミドリガメとの運命的な出会いを境に、起死回生のスター街道を驀進していく中で繰り広げられる壮大…

【映画】『恋愛小説家』/恋愛経験ゼロの「恋愛小説家」が「最貧困シングルマザー」に恋に落ちる!超難度な純愛ラブストーリー

第55回ゴールデン・グローブ賞で主要3部門に輝いた、ジャック・ニコルソン、ヘレン・ハント共演の恋愛ドラマ。偏屈で嫌われ者のベストセラー作家と、バツイチで子持ちのウェイトレスが織りなす不器用な恋を、さりげないユーモアを交えて描く。 誰かれ構わず…

【小説・アニメ】伊藤計劃『ハーモニー <harmony/> 』/魂のために、魂のない世界を作るー逆説の救済思想

「大災禍」と呼ばれる世界規模の混沌から復興した世界。かつて起きた「大災禍」の反動で、世界は極端な健康志向と社会の調和を重んじた、超高度医療社会へと移行していた。 そんな優しさと慈愛に満ちたまがい物の世界に、立ち向かう術を日々考えている少女が…

【映画】『Blue』(原作 魚喃キリコ)/ウブっ子とマセっ子の青春ガール・ミーツ・ガール

海辺の街にある女子高を舞台に、思春期の女子高生の淡く切ない体験を繊細に描いた青春ドラマ。漫画家・魚喃キリコの同名コミックを「dead BEAT」の安藤尋監督が、「とらばいゆ」の市川実日子主演で映画化。共演は「阿弥陀堂だより」の小西真奈美。これが映画…

【アニメ】『花とアリス殺人事件』(岩井俊二 監督)

史上最強の転校生、アリス。史上最強のひきこもり、花。 二人が出逢ったとき、世界で一番小さな殺人事件が起こった。 石ノ森学園中学校へ転校してきた中学3年生の有栖川徹子は、一年前に3年1組で「ユダが、四人のユダに殺された」という噂を聞く。 さらに…

小説『夜のピクニック』(恩田陸 著)/「大人の罪」を描かない「欺瞞的青春小説」

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。 三年間、誰にも言えなかった秘密を精算するためにーー。学校生活の思い出や卒業の夢…

【小説】『ナラタージュ』(島本理生 著)

ナラタージュ (角川文庫) 作者: 島本理生 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2008/02 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 29回 この商品を含むブログ (86件) を見る お願いだから私を壊して、 帰れないところまで連れていって見捨てて、 あなたにはそうす…

【小説】唯川恵 『刹那に似てせつなく』

刹那に似てせつなく (光文社文庫) 作者: 唯川恵 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2004/01 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (10件) を見る 42歳の並木響子は、復讐を遂げた。名前も年齢も偽り、掃除婦として潜り込んだ会社の副社長室で、男を刺し殺した…

『花のもとにて』(堀田あけみ)

花のもとにて (角川文庫) 作者: 堀田あけみ 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2000/01 メディア: 文庫 クリック: 7回 この商品を含むブログ (5件) を見る 「BOOK」データベースより ひそかに憧れていた先輩・大沢を追って、同じ心理学の大学院に入学した響…

『号泣する準備はできていた』(江國香織)

号泣する準備はできていた (新潮文庫) 作者: 江國香織 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2006/06/28 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 49回 この商品を含むブログ (165件) を見る

幼児を見て「かわいい」と言っただけで「ペドフィリア疑惑(ロリコン)」認定されかねない…(男ってめんどくせぇ…)

●「うな子」は論外だが… wotopi.jp 「博報堂」の担当者は「動画はうなぎを天然水でストレスがかからないように大切に育てているということを一番に伝えたかったもので、性的なものをイメージさせる意図はまったくありませんでした。

「信頼性の罠」=「実際には偶然的な出来事の束でしかないものを必然的な出来事であるかのように思わせ、そうすることによって、個人の出生という偶然事を意味あるものにする」〜『現実の社会的構成』(P.バーガー/T.ルックマン著))

社会的存在=組み込まれる自意識 誰からも強要された覚えがないのに、毎朝、自分の姿を鏡でチェックし、身だしなみを整えなければならない。それを経由しないと外へは一歩も出られないといった感じだ。これは、社会を生きる人間にとっての最低限のマナーとさ…

「子どもを生むこと」についての雑記

「子ども…つくるの恐ろしい…」 「子どもが欲しい」って当たり前?なのでしょうか…。 僕は「子どもを生む」ということに関して、中学生の頃からずっと考えてきています。僕にとっては「子どもを生む」ということはまったくの「自然なこと」だとは思えない。な…

「不用意な質問をしてくる人」に対しては“ぞんざい”に対処する。

nanapi.com nanapi.com 上記のサイトでは「嫌な質問をかわす」テクニックが説明されています。 それだけ「質問コミュニケーション」に悩んでいる方、ウザいと思っている方がいるのでしょう。 僕の経験上、一番嫌なのは「職場の飲み会」における「素朴な質問…

猛威を奮う「そんなの仕方ないじゃん!」派たち〜ロールズ先生を一瞬で黙らせる言葉〜

さっき調べて分かったのですが、『正義論』が刊行されて今年で45年目なんですね(ジョン・ロールズ - Wikipedia)。 今でも日本では「ロールズ産業」が続いているようです。 たとえば今月、勁草書房から「ロールズ」と名のつく本が二冊も出版されています。

「差別意識」とコノテーション 〜リオオリンピックで感じた違和感〜

「メダルラッシュ」 リオのオリンピックが終わりました。(パラリンピックはこれから始まりますが…) 日本選手は大活躍で「メダルラッシュ」と言われています。 しかし、僕はノリのわるい人間(KYな人)なので、マスメディアの「メダルラッシュ」のお祭り騒…

なぜ「努力」は「信仰」となり人を苦しめ続けるのか 〜 差別・不平等・努力信仰 の関係 〜

「平等」の二つの意味 「差別とは何か」を考えるまえに、まず、「平等とは何か」を考えてみます。 「平等」には大きく分けて、二つの意味があります。 (1) 「同じ」(同質・等しさ)という意味 (2) 公平(公正・正義)という意味 (1)は数的・物理的・性質的…

「説教」の潜在機能が示唆する「やり場のない怒りが弱者へと集約される」メカニズム

■「説教」とは何か これから書く「説教」とは「学校の先生に説教される」という意味の説教です。 僕は説教が大嫌いなんですが、誰かに説教されるのが好きだ、なんて人はある例外を除けばたぶんいないんじゃないでしょうか。また「オレは説教するのが好きで好…

「コミュ力」以前の問題系が語られていない問題

いわゆる「コミュ障」などと一括して問題にされてしまうことの弊害。 そこにはいろんなグラデーションがある。